新規樹脂製潜熱蓄熱材ヒー卜レージおよびコンフォーマの開発

摘要

周囲から熱を蓄え（吸熱）、そして蓄えた熱を周囲に放つ（放熱）技術を「蓄熱」と呼び、この吸熱と放熱の可逆的な機能を有する材料が「蓄熱材」である。蓄熱技術は、Table1に示すように「化学蓄熱」「顕熱蓄熱」「潜熱蓄熱」の三つに大別される。「顕熱蓄熱」は物質固有の比熱を利用したもので、代表例としては、コンクリート、水、などで、安価ではあるが、蓄熱密度は三つの中で一番低い。「化学蓄熱」は、非常に高い蓄熱密度を有するが、熱利用をするためには適切に反応を制御することが重要となる。「潜熱蓄熱」は、固体と液体の間など物質の状態変化などの相転移に伴う熱を利用したもので、この相転移温度付近において、蓄熱密度が高いのが特徴である。相転移温度は、物質の種類や添加剤によって調整することができ、使用温度に応じた設計が容易なのも「潜熱蓄熱」の特徴となる。今回当社で新規に開発した蓄熱材は、この「潜熱蓄熱」に属する材料となる。