テラへルツ波を用いたプラスチックの素材識別·劣化診断装置

摘要

芝浦工業大学デザイン工学科·田邊匡生教授らの研究チームは，テラへルツ波を用いてプラスチックの素材識別と劣化診断が可能な装置を開発した。プラスチックは利便性が高い素材だが，近年では中国の廃プラスチックの輸入禁止や海洋汚染など地球規模の問題として取り上げられている。世界的に注目を集めているSDGs，循環経済，低炭素社会等の達成に向けては，プラスチックをはじめとする多様な廃棄物資源の高度なリサイクル技術を開発する必要がある。本研究では，テラへルツ波を用いてプラスチックの素材を識別するだけでなく，劣化の度合いや添加剤の有無の判断を行い，リサイクル効率の向上や廃プラスチックのリサイクル性を検証しており，2022年4月に施行された「プラスチック資源循環法（通称プラスチック新法)」に対応するものである。