省エネ活動と省エネ投資を両輪に食農踏まえたバイオマス活用にも挑戦

摘要

同社はブランドステートメント「自然を，おいしく，楽しく。KAGOME」を掲げている。これを顧客との約束として，自然の恵みが持つ価値を活かした商品の開発と提供を通じ，人々の健康的な食生活の実現に貢献していくことを目指している。2025年のありたい姿「食を通じて社会課題の解決に取り組み，持続的に成長できる強い企業になる」，2025年のビジョン「トマトの会社から野菜の会社に」を示し，これに向け，第1次中期経営計画（2016～2018年度），第2次中期経営計画（2019～2021年度），第3次中期経営計画（2022～2025年度）を順次作成し，基本戦略を示してきた。現在は持続的成長の実現を図る第3次中計の期中，2025年の目標達成に向けた総仕上げの4年間にあたる。一方，品質·環境方針は第1次中計の期中の2017年10月に制定し，野菜を通じた健康寿命への貢献など，五つの方針を明示。また，SDGsの広がり，企業のESGの取り組みへの関心の高まりなど，社会の変化や要求に対応していくため，第2次中計のスタートに合わせて中期的に取り組む環境課題や目標も見直した。その中で，2018年に定めた温室効果ガスの中長期削減目標は，スコープ1およびスコープ2は，2030年までに20削減（2016年比），2050年までに50削減（同）としていた。ただ，これは後に気候変動のリスクを勘案し，地球温暖化防止への取り組みを加速するため2021年に見直し，それが現在に至る目標になっている。具体的には，2050年までにグループの温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目指し，「スコープ1およびスコープ2は，2030年度までに温室効果ガスの排出量を42削減（2020年比）」「スコープ3は，2030年度までに温室効果ガスの排出量を13削減（同）」とした。