PED発生農場における 環境モニタリング検査

摘要

豚流行性下痢(PED)が養豚場で発生すると，病 原性の強い株の場合にはおよそ1力月分の子豚 が失われる可能性があり，大きな経済損失とな る。外気温が低下する季節にはウイルスの生存 期間は延長し，一方で消毒の効果は得られにく く なるため，特に注意が必要である。農場防疫を見 直す際には，環境モニタリング検査も併用するこ とでより効果的な対策が立てられるだろう。養豚場における環境モニタリング検査は，疾病圧力 の高まりとともに一般的になってきている。本症例報 告では，豚流行性下痢(PED)発生期間中に経時的な環 境サンプリング検査を行って.PEDウイルス遺伝子の 存在を確認するとともに，感染拡大を防ぐためのバイ オセキュリティ手順の変更をリアルタイムに行うため に，これらの検査結果を活用できるかどうかについて 評価した。