消化管GISTの術前術後補助療法

摘要

消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor : GIST)は,カハール介在細胞由来の消化管間質腫瘍 で,10万人当たり発症率1~2人の希少腫瘍である. 組織診断がついた切除可能GISTの治療の第一選択は 肉眼的切除断端陰性の完全切除だが,腫瘍の大きさや 腫瘍浸潤により完全切除が困難な症例や,原発部位に よって手術侵襲が過大となる症例がある.また，外科 的完全切除後に術後再発をきたす症例も少なくない. そのため,このような進行GISTに対して，切除率の 向上，手術の低侵襲化，予後改善のための集学的治療 が必要とされ,術前および術後の補助療法が試みられている.