ハイエントロピー合金超伝導体·磁性体の探索

摘要

従来の合金は、主たる元素に微量の他元素を添加して必要な特性を出していた。しかし、2004年は、同程度の割合の複数元素が固溶体を形成したハイエントロピー合金（high-entropy alloy: HEA）が提案された。合金の相安定性を熱力学的に記述するときに、-TS（T：絶対温度、S：配置エントロピー）というエネルギー項が出てくる。ハイエントロピーの名前の由来は、同程度の複数元素が一つの結晶学的サイトをランダムに占有するためにが大きくなることにある。このとき、ハイエントロピー状態は合金の相安定性に寄与し、ハイエントロピー効果といわれる。その他に、固溶強化による高強度化（severe lattice distortion）、拡散係数が小さいために固溶体が安定化（sluggish diffusion）、構成元素の単純混合則に従わない物性発現（cocktail効果)）HEAの特徴として挙げられる。