薬剤師の災害対応の初動:1.害医療における薬剤師の立ち位置:災害医療における薬剤師の立ち位置は,災害派遣医療チーム(Disaster Medical Assistance Team ; DMAT)や救護班など医療チームの一員としての活動や,薬剤師班としての支援と受援,これらを支える後方支援などがある。これまで,それぞれが重要な役割を果たしてきたが,さらに災害薬事を円滑に進めるために「薬事リーダー」の重要性が認識されている。その役割は,情報統制の要として,災害時の特殊な状況下での人?物?情報に関する「災害薬事のトリアージ」を繰り返し,意思決定を下すことである。例えば,日本赤十字社(日赤)の救護体制においては,日赤本社と被災地都道府県の日赤支部の災害対策本部の統制下となり,医療救護の采配に関しては災害医療コーディネートチームが主体となる。薬剤師は,DMATや救護班など医療チームの一員としての活動のほか,日赤災害医療コーディネートチームの一員にも登録されるようになり,今後,薬事リーダーとしての確立と活躍が期待される。薬剤師に求められる初動時の災害医療の管理プロセスは,3つの過程から成る(図1)。
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