地球環境とバイオリアクター 基礎から応用まで 《第55回》: 脱炭素·水素社会の基幹バイオ燃料開発の動向（3）木質バイオマスの200倍のCO_2削減効果をもたらす芋·メタン燃料

摘要

国土の66（2500万ha）を占める山林の年増加量は2002年以降8000万m~3前後で推移しており，単位面積当たりの日射量に対するエネルギー収率は0.06〔＝8000万m~3×固形分0.5t/m~3×燃焼熱20GJ/t÷（2500万ha×5GJ/m~2）〕と見積もられる。一方，多層栽培法を用いて甘藷（サツマイモ）を栽培すると4の光合成効率で芋と茎葉を生産できることを報告した。国土には1年間に約5GJ/m~2の日射があり，甘藷は年200MJ/m~2の収量を見込むことができる。山林の増加量は年3MJ/m~2である。山林よりも甘藷の方が，単位面積当たり67倍量のバイオマス燃料を生産できるのである。