ミトコンドリア、ダイナミクスの異常による神経変性の病態比較一ヒト神経変性疾患の進行をモデル動物で再現するために—

摘要

神経変性疾患は，有効な治療薬が乏しく Unmet needsの惠ぃ疾患領域である。一般に，疾患メカ 二ズムの解明や新規治療薬開発のためには，ヒ卜 で観察される病態をよく模倣したモデル動物が欠 かせない。しかし，これまでに報告されている神 経変性モデル動物の大部分は，ヒ卜の神経変性疾 患の進行を十分に再現しておらず，これが神経変 性のメ力ニズム解明や治療薬開発を困難にしてい る大きな要因の一つである。そこで，ヒ卜と既存 のモデル動物で大きく異なっている病因因子の Onsetのタイミングに着目し，任意のタイミング で神経細胞にストレスを負荷できるマウスを樹立 してその病態を比較解析した。その結果，神経変 性疾患モデルにおける病因因子のOnsetのタイ ミングの重要性が強く示唆された。