音声の周波数スペクトルに着目したスピーカーフォンからの電磁的情報漏えい評価法

摘要

スピーカーフォンに対する電磁情報漏えいの脅威が指摘されている。スピ1ーカーフォンはリモートワークに伴い利用環境が多様化しており、周囲環境の変化が情報の取得性に影響を及ぼす可能性がある。しかし、既存研究で使用されているスペクトログラムを用いた漏えい評価手法は定性的であるため、利用環境毎の情報の取得性を比較することが困難である。本稿では、スピーカーフォンから電磁波を介して音情報が漏えいする脅威に対し、入力した音声信号と復元された音声の周波数スペクトルの類似度に着目した評価手法を提案する。具体的には音声合成により作成したランダムなアルファベット列を入力音声とし、入力した音声信号の周波数スペクトルと漏えい電磁波から復元された音声情報の周波数スペクトルとの類似度をピアソンの相関係数を使用して算出し、スピーカーフォンから漏えいする電磁波に含まれる音声情報を評価する。