アルミ導体ケーブル

摘要

近年，導体材料としてのアルミニウム(以下，アルミ)が見直されつつある。たとえば自動車産業では，環境負荷低減を目的に自動車重量の軽量化が望まれているー方で，エレクトロニクス技術による高機能化が進むにつれて，ワイヤーハーネスの重量増加という課題を抱えていた。そこで，ワイヤーハーネスの導体を銅からアルミに置き換える検討が進められ，ー部はすでに実用化され，実車に搭載されるまでに至っている。—方，建設業界では，働き方改革，人手不足の解消が昨今の大きな課題となっている。さらに，建設業就業者数の中で55歳以上を占める割合が全産業の平均値を上回って推移しており，若年眉の入職者の減少と合わせ，その深刻さを増している。こうした状況に鑑み，作業の省力化に寄与するケーブルとして，導体にアルミを用いた低圧幹線用ケーブルが再注目されている。