顔面熱画像によるドライバーの覚醒水準評定の試み

摘要

我々はサーモグラフィを用いた非接触計測による覚醒水準評定の研究を行っている。 本報告はドライバーの意識低下のセンサーとしてサーモグラフィを利用することをねらいとして，各種生理指標，心理指標の同時計測を行い相互に比較し考察する。 模擬運転課題において鼻部熱画像，自発脳波，心電図，顔面映像，反応を同時計測する。 また覚醒低下の自覚症状をステアリングスイッチ(+,-)により，前の状態からの差分として随時報告させる方法を提案する。模擬運転システムで実験を行った結果，運転開始と高時に被験者の鼻部皮膚温度は低下し，その後のカーブが自覚症状の報告と傾向が一致し，かつ覚醒低下の有力指標の一つであるα波パワーとも傾向の一致を確認した。