アルミニウム合金押出管の電磁拡管かしめ接合部の静的強度と繰返し疲労耐久評価

摘要

近年，持続可能な社会実現を背景に，自動車をはじめとした輸送機の軽量化ニーズは益々高まっている．軽量化手法の一つとして鋼材を軽量なアルミニウム合金材に置換する事例も増加している．しかし，アルミニウム合金材の接合は鋼材と比べ課題があり，熱を与える溶融溶接の適用では溶接組立における寸法精度や安定した溶接品質確保の面で留意すべき点が多くコスト増加が懸念される．その対策として熱を与えない機械的締結であるかしめ接合法に着目した．電磁成形技術を用いたアルミニウム合金押出管のかしめ締結部材の検討については以前からなされており，部品組み立てを効率的に実施可能な電磁拡管技術の自動車部品への量産適用も進められてきた．一方，電磁拡管かしめ接合継手強度特性である静的引張強度やねじり強度，曲げ強度，さらには疲労耐久性について電磁拡管かしめ接合継手を対象とした一貫した調査，報告された事例はなかった．ここではこれまで個別に実施した検討結果を一括してまとめ，解説する．