スマートフォンを活用した線路保守システムの開発

摘要

線路保守管理を目的とした列車動揺測定が定期検査として実施されているが、急進等の予兆を把握するには十分な頻度とはいえない。予兆も含めた線路保守管理をしたいというニーズは高く、このためには高頻度な動揺データの収得が必要となる。動揺測定にあたっては、すでに西日本旅客鉄道㈱（以下、当社）の取組みでも、列車の脱線転覆を検知して列車防護を行う車両挙動監視装置から得られる測定データを転活用した高頻度動揺活用システムを試行中であるように軌道検測車や営業車両に常時設置された加速度センサーを用いて測定する方法や、可搬型の加速度計を車内床上に持込み設置して測定する方法などがある。しかしながら、前者は保守担当者が不要である一方、車両への装置の艤装が必要であり、後者は装置運搬や記録のために線路保守担当者が複数人必要となることもあり、いずれも現状は容易に高頻度測定ができるものではない。