リンデンレイ通りの集合住宅

摘要

リンデレイ通りにあるこの古典的都市住宅は歴史遗産である。ルイ16世時代に建てられ、寄楝屋根が架けられた4階建て(元は3階建て、19世紀に使用人用の階が増築)、3ペイの住宅であり、1779年当時の建物の用途に応じた間ロがつけられている。建物は建築線からは突きでておリ、そのため右側に1ベイ分のファサードをもつ。この地方の遗産保護関連の規制のために、マリー·ジョゼ·ヴァン·ヒによるデザインは完全には実現できなかった。ゲントの水際を見渡す都市のテラス(マントヴァのパラッッォ·ドゥカーレのよう)をつくり、歴史、建物のオリジンを尊重して、一番最近の改造のみを削除するアイディアであった。「歴史的価値」をどの程度解釈する必要があるかについては、多くの疑問が生じた。依頼主は隣地に住んでおり、ヴァン·匕に上層階に3つのゲストハウス、地上階に共用キッチン、会議室、サーヴィスルームをつくるよう依頼した。ヴァン·ヒは、天窓のある新しい階段などの改修に役立てるために、隣の依頼人の家にあるエレヴェータを更新するという巧みな計画を立てたが、建物内にある階段を新しくし最適化することは許されなかった。実現していたら、両建物間の互いに影響し合う関係が可能になったであろう。その代わりに、古い階段が復元されて、各ユニットへつながるガラス張りの正面玄関によって居住空間と共有移動空間の関係が確立された。各ユニットは、中心にエントランス·ルー厶、奥の南西側にシャワー·寝室、そして運河側にキッチンと既存を生かした部屋で構成される。新しい屋根形状には隠されたメカニズムがある。夕方の光がかしいだ天井に斜めに触れるように切妻屋根の傾きが決められている。その奥にある陸屋根には屋上庭園があり、そこからは裏にある段々状の小さな庭園を見て楽しむことができる。