新幹線構造物の積雪寒冷地対策

摘要

新幹線の安全·安定輸送の確保において，積雪寒冷地対策は重要であり，各地域の気象条件や地域の特徴などに応じて適切な対策を講じる必要がある。本報では，北海道新幹線の既開業区間(新青森?新函館間)(以下，青函区間と呼称する)を対象に，整備新幹線事業における積雪寒冷地対策を紹介する。平成28年3月に開業した青函区間は，延長が約149kmあり，比較的積雪の多い青森市内や青森県今別町(積雪深で130～160cm)から，青函トンネルを通過した後，北海道木古内町，北斗巿など(積雪深で50～120cm)を経て，新函館北斗駅に至るルートとなっている。冬期の平均気温は0℃未満で，最低気温も-20℃近くに及ぶ積雪寒冷地を走行している(図-1)。また，在来線との共用走行(以下，共用区間と呼称する)に伴う三線軌条という特殊な設備を有する。