乳用子牛における 離乳移行期のルーメン発酵

摘要

離乳移行期は，子牛の主たる栄養源が乳から固形飼 料へ移行する時期である。この時期は固形飼料（ス 夕一夕一および粗飼料)の摂取量が増え，第一胃（ルー メン）が発達して代謝が大きく変化する。離乳時期は 農場により幅があるが，近年は乳の給与量を増やして 発育を優先し，8週齢程度で離乳する飼養管理法が主 流となっている。ルーメンを十分に発達させることが できないまま離乳すると，飼料摂取量の低下，消化不 良，および発育停滞だけでなく，消化器,呼吸器疾病 にもつながりかねない。最近の研究では.生後2力月 間の発育速度が初産およびその後の乳量に反映される ことが明らかとなっており，この時期における飼養管 理の重要性が認識されている1>。本稿では，筆者らが 離乳移行期に行った飼養試験のなかからルーメン発酵 に関する知見を紹介する。