編集後記

摘要

建築の可能性のひとつに，場所と関わり，実体を持つという ことがあります.そのふたつは強い関係を持つことを今月芎 の編集で考えました.地勢から建築を考えた屋島山上交流 拠点施設，石やコンクリートといった素材がきっかけとなつ たSound of MarbleやMOTOBU CORAL ROOF.その 場にあるものを多人数で発見していく千葉ゥシノヒロノに既 存不適格の改修を建築だけの問題とせず，周辺の場所も見 直した神田錦町オフィスビル再生計画.そうした関係は大き なブロジェクトでも同様で，日比谷フォートタワーの江戸の 堀割やTOKYO TORCH銭瓶町ビルディングの下水道ポン プ施設などにち見られます.建築論壇で周防貴之さんが問 題提議された，時代性とそれに囚われない自由さは，場所 と関わり，実体を持つからこそ対比するのではなく，共に生 かすことができるものだと思います.過渡期の現代，建築 や都市の可能性もこれまでとは違った広がりを見せてくれる のだと思いました.