山田慶児『混沌の海へ：中国的思考の構造』 (筑摩書房，1975年）の読み方

摘要

1975年に千葉の片田舎から京都の大学に入学し て，柴谷篤弘『反科学論』（みすず書房，1973年） を寮の一室で読んだときにはびつくりしたものだつ たが，山田慶児『混沌の海へ』は科学史という学問の分野もあるのかと気づかせてくれた一冊だ.筑摩書房版の海面をアレンジした表紙と，「パターン·認識·制作」や「空間·分類·カテゴリ一」に見ら れる構造主義的な図式化に奇妙に鮮烈な印象を受け た.