高度肥満症の運動療法?食事療法

摘要

高度肥満症 日本肥満学会では,BMI≧25kg/m2を肥満,BMI≧35kg/m2を高度肥満と定義し, 高度肥満のなかでも減量を要する健康障害（表1）を伴う場合を高度肥満症としている.高度肥満症では,肥満低換気症候群，心不全，腎機能障害，静脈血栓症,肺塞栓症，変形性膝関節症など重篤な疾患を合併しやすくなる.肥満は脳卒中の発症率を増加させ，心血管病の独立した冠危険因子となる.BMIの増加は男女とも死亡率を高める.肥満に伴う合 併症の改善,脳心血管病の発症リスクを減少させるためには，体重および内臓脂肪の減量が重要となる.体重減量による健康障害の改善は，肥満者個人のQOLの改善につながる. 高度肥満症ではまず現在の体重から5?10以上の減量を目標とする.減量の基本は食事 療法や運動療法などの生活習慣改善である.高度肥満症においては,薬物療法や外科療法も選択肢となる.