COPDの運動療法?食事療法

摘要

慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease : COPD)は,気道炎症とリモデリングに起因する持続的な気流閉塞によって特徴づけられ,肺気腫の発症のほか,全身性疾患の発現(図1)と急性増悪を繰り返し，疾患負荷と死亡リスクが増大する疾患であ る. COPDは呼吸機能の障害のほか,労作時呼吸困難による身体非活動性を呈するが,それらは筋肉の機能低下,ディコンディショ二ングにつながり,そのために呼吸困難,不安感が増す.さらに,抑うつや社会的孤立も症状を修飾しCOPD症状が増幅する.そして,頻呼吸をきたすことで動的肺過膨張を招き，ますます症状を悪化させ，健康関連QOL（HRQOL）も悪化するという悪循環をきたす.呼吸リハビリテーションは,運動療法,セルフマネジメント教育，栄養療法,心理社会的サポート，およびその導入前後，維持期（生活期）の定期的な評価を行う統合ケアの一環として，上述の悪循環を断ち切ることが期待される.