生物多様性保全と、持続可能な利用に向けた戦略

摘要

「生物多様性(Biodiversity)」について、1992年に採択された生物多様性条約では、すべての生物の間の変異性をいうものと定義し、1.生態系の多様性2.種間(種)の多様性3.種内(遺伝子)の多様性——の三つのレベルの多様性があるとしている。生態系の多様性とは、森林、湿原、サンゴ礁など多様な生態系が存在していることを、種間の多様性とは、多種多様な動植物、菌類、バクテリアなどが生育·生息していることを、そして種内の多様性とは、同一種であっても、個体や個体群の間で遺伝子レベルの違いがあることを指す。