衝撃圧縮を用いたセラミックスの弾ー塑性転移，高圧相転移，状態方程式の研究

摘要

近年，物質の超高圧力研究は益々盛んになっているが，圧力の決定や状態方程式は衝撃圧縮データに基づいて議論されている。これは衝撃圧縮では，物質の運動を計測することによって，原理的に際限のない圧力領域まで圧力と密度の関係（ユゴニオ圧縮曲線）を絶対的に決定できるからである。一時期，ダイヤモンドアンビルセルの登場によって到達圧力が脅かされたが，最近では，大電流放電による電磁力を用いた電磁z-マシンやレーザーショックによって，静的圧縮実験では不可能な1TPa以上の衝撃圧縮実験がルーチンに行われ，放射光X線源などと組み合わせて，これまで考えられなかったような衝撃圧縮下の微視的観察も可能になっている。従って，衝撃圧縮実験は圧力校正で超高圧研究の土台を支えるだけでなく，今後も高圧相転移や状態方程式の情報を得る上で益々大きな役割を果たすものと期待される。