日本産業標準JISH8300「亜鉛，アルミニウム及びそれらの合金溶射」改正のポイント

摘要

JISH8300「亜給，アルミニウム及びそれらの合金溶射」は，1971年に制定され，1990年，1994年，1999年，2005年及び2011年の改正を経て，今回の改正に至った．今回，一般社団法人日本溶射学会JIS原案作成委員会により，改正JIS原案が作成された．日本産業標準調査会（JISC）において審議され，2021年3月22日に改正JISとして公布された．本JISの改正を行った理由は以下の通りである．本JISに対応する国際規格ISO 2063が2018年から2019年までにかけて大幅に改訂されて2部構成となった．ISO 2063-1は防食システムのための設計への配慮及び品質要求事項を中心とした規格に，ISO 2063-2は防食システムの施工を中心とした規格になった．本JISがこれらの改訂された対応国際規格とできるだけ整合性が取れるようにすることが改正の動機であるが，さらにわが国での溶射産業における取引事情にも可能な限り適合するように，いくつかの修正なども含めて，改正を行った．本稿では，JIS改正のポイントやJIS委員会にて特に問題となった点などを紹介する．