ホルスタイン種牛における初産分娩後 の適正体重と分娩前後の飼養管理

摘要

初産牛は日本のホルスタイン種牛群の約30%を占 めており,遺伝的改良が進み,将来に高乳量が期待 できる後継牛である。しかし,令和2年度の初産牛 の305日乳量は8,783 kgと,2産以上の経産牛より, 約1,500 kg少な < .難産や死産の発生率は約1.3倍と 高いし さらに,月齢別の死亡率をみると,初産分 娩頃の24カ月齢前後，2産分娩頃の36カ月齢前後に ピークがみられる（図I）。初産分娩時の事故を減 らし,初産次乳量を高めるとともに,2産次へスムー ズに移行する割合を高めることで,乳牛の長命連産 や生涯生産性の向上が期待できる。本稿では,初産 牛の乳生産性向上のために,初産分娩後の適正体重 および初産分娩前後の管理について示す。