生体信号の振幅に関する精確さと危うさ: 無線LANによるノイズの振幅を見積もる

摘要

近年の技術発達により，モータの高性能化や電子機器の無線化がなされてきた．これは，機器から出力される電磁波の強度が増加することを意味する．計測環境として評価すれば「以前よりノイズの多い環境」と想像できるが，このような環境においても適切に計測できているかの確認は必要であろう．本稿では，「近年の技術発達による環境変化を経てもなお，以前に構築されたシールド室が有効に機能するか」を検討する．具体例としては，身近な機器として使用されることが多くなった「無線LAN」に由来する「ノイズ」をとりあげ，それらがシールド室で十分に減衰できるのかを数式を交えながらとりあげる．電磁波によるノイズとして，測定器の回路内で生じる内部雑音や，計測経路外から混入する外部雑音などが知られている．本稿では，内部雑音に焦点をあてて解説する．