超音波ガイド下色素注入による 腹腔鏡下系統的肝切除ICG蛍光法による陽性染色法の実際と課題

摘要

系統的肝切除は,1911年のWendelによるadenoma に対する肝右葉切除の報告に始まる.以来,Heal-ey やCouinaud によって肝内脈管構造が詳細に検 討され,肝区分が提唱された.その後,幕内らの術中 超音波（IOUS）下に担癌門脈枝に色素（インジゴカ ルミン）を局注する色素法や,高崎らの肝門部での グリソン一括処理による肝区域同定に基づいた肝実質 処理により,経門脈転移抑制や出血量軽減に有用で あることが報告され,系統的肝切除は広く普及するに 至っている.