乳用牛の管理10時流に沿った技術を修得し人材育成をする

摘要

ここ数年，飼養頭数の増大に伴い，酪農場には大型 の施設や最新の機器が導入され，牛の周辺環境の近代 化が図られてきた。それらの技術に頼る一方，牛の発 情を発見する能力，体調を見極める眼力，そして疾病 を未然に防止する管理能力の低下などが見られ，牛を 管理する「人」が技術の発展に対応できていないとい う問題も出ている。図1は酪農現場の問題と課題について，「環境」「牛」「飼料」の3方向から提起したものである。「環境」で は，1戸当たりの飼養頭数の増加，労働力不足や外国 人労働者への依存，搾乳ロボットの導入が進行してい る。また，「牛」の要因として牛群構成が若齢化してき ており，「飼料」からは頭数増により作付け面積の不足 からの自給粗飼料不足，草地更新が間に合わず植生改 善がなかなか進まないという問題も起こっている。そ の結果，死産率や廃用率が減らず，過肥牛が増え，濃 厚飼料や柏類への依存が高まり，固め食いや選び食い でル一メンの異常発酵が起こってしまう。また，乳用 牛の減少，牛の個体価格高騰，分娩間隔の長期化や周 産期病，異常風味乳や血乳も問題になってきた。