2円筒試験機を用いた実験による実車輪/レール間の接線力の推定

摘要

営業線での詳細な調査が困難となる車輪/レール間の接線力特性を評価する手段として，車輪とレールの接触を一対の試験輪の接触で模擬した2円筒試験機を用いた室内実験があります。その一方で，室内実験ではその間の接触楕円が実物の大きさとは異なるため，実際の車輪/レール間の接線力特性が推定できないと考えられることが少なくありません。そこで直径30mmと500mmの2種類の大きさの異なる試験輪を用いて,車輪ダレール輪間の接触楕円の大きさの違いに着目した接線力測定実験で調査を行いました。その結果，乾燥条件で接触面に作用する接線力特性は，試験輪間の接触楕円の大きさには関係なくKalkerの理論値と合致することが分かりました。そして，実際の車輪/レール間で作用する接線カ特性は，接触面の表面粗さとその活性化状態，接触面の周辺湿度を同等とした2円筒試験機を用いた室内実験により推定できることを明確にしました。