フローサイトメトリーにより白血病細胞に加えてHematogonesが検出されたMLLT3::KMT2A融合遺伝子を有する小児急性骨髄性白血病の1症例

摘要

造血器腫瘍は、骨髄検査(骨髄像)、骨髄生検、遺伝子?染色体検査、フローサイトメトリー(FCM)検査などを行い総合的に診断する。骨髄像による細胞形態の確認は、細胞分類や異型性の判定に極めて重要であるが、細胞形態のみでは幼若細胞や腫瘍細胞の正確な細胞の同定や詳細な造血器腫瘍の分類は困難である。FCM検査は、造血器腫瘍の診断時、骨髄への浸潤の有無、治療方法や治療効果判定に用いられるが、形態学的に判断に苦慮した場合の細胞分類にも有用である。今回、骨髄検査で形態学的に2種類の芽球が認められ、FCM検査で細胞分類できた一例を経験した。本症例を提示し、サイトグラムでの適切なgatingとそこから得られた結果の解釈について報告する。