初乳の管理

摘要

酪農経営において後継牛の確保は重要な課題であ る。出生子牛の3力月以内死亡率（北海道平均）は 7.1%uと言われており，出生した子牛を1頭でも死亡 させないことが経営の安定につながる。子牛を健康に育てるには，良質な初乳(分娩後1回目 に搾った乳)の給与が重要となる。なぜなら，初乳給与 は，出生直後の子牛に，母牛の免疫を移行させる作業 にもなるからである。しかし現状では，「初乳の抗体量 を計測していない」「哺乳器具はお湯でゆすぐだけ」 といった牧場が散見される。細菌に汚染された初乳を 給与しないよう，哺育作業では初乳の管理に注意を 払っていただきたい。本稿では，農業改良普及セン 夕一が実施した初乳に関する調査の結果の紹介と，「初 乳の管理」について解説する。