テーマ：施肥窒素の溶fl兑特性 -施肥条件、土壌条件、灌水方法の違いによる影響--部会長総括-

摘要

令和2年8月27日に、Web開催された2020 年度農業農村工学会大会講演会において、畑地 整備研究部会は「施肥窒素の溶脱特性-施肥条 件、土壌条件、灌水方法の違いによる影響-」 というテーマで企画セッションを主催した。現在、世界中の多くの集水域では、畑地にお ける施肥量の増加に伴って生じる、施肥窒素の 溶脱による水質汚染の影響の拡大が懸念されて いる。窒素溶脱パターンは、化学肥料等の肥料 原料や施肥量、全層施肥，側条施肥等の施肥法、 単肥、複合肥料等の肥料成分、被覆肥料、緩効 性肥料等の肥効の質といった施肥条件と、転換 畑、輪作等や作付けの履歴といった栽培条件、 降水や水温等の気象条件、黒ボク土 、沖積土等 の土壌の種類や根成孔隙、亀裂等の土壌の構造 といった土壌条件、節水、多灌水等の水量や強 度等の灌水条件といった因子に影響されると考 えられる。しかし、その影響の定量的把握や適 用条件の整理等は十分に行われていない。他方、目標とする畑地の生産基盤は、水質環境 の保全性を有しているだけでなく、高い土地生産 性と労働生産性を有していることも必要である。