現在、溶接部の斜角UTでは、超音波探傷器の調整に標準試験片STBが用いられているが、被検材との音響異方性の存在によって、反射源位置を誤ったり、場合によっては探傷が適切に行われていない可能性がある。本稿では、この問題について紹介する。UTに使用される標準試験片は、JIS Z 2345「超音波探傷試験用標準試験片」に規定されたA1形STB、A2形系STB、A3形系STBなどがあり、作製に用いる材料は第1表のように詳細に規定されている。JIS Z 2345は2018年に改正され、第1部:A1形標準試験片、第2部:A7963形標準試験片、第3部:垂直探傷試験用標準試験片、第4部:斜角探傷試験用標準試験片として分類されている。
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