急性虫垂炎に対する腹腔鏡下虫垂切除術の手技ループ式結紮器,自動縫合器の使い方

摘要

急性虫垂炎は頻度の高い急性腹症であり,臨床上よ く遭遇する疾患である.好発年齢は10-30代である が，幼児から高齢者まで幅広い年齢層で発症する.近 年では,画像診断技術の向上に伴い,虫垂炎の治療方 針も変わりつつある.非穿孔性虫垂炎に対しては,抗 菌薬による保存的治療の有効性が示唆されたり,膿瘍 形成性虫垂炎に対しては,抗菌薬による保存的治療後 に炎症反応を沈静化させてから待機的手術を行う待機 的虫垂切除術(interval appendectomy : IA)の有効 性が報告されている.当科の検討でもIAの症例のほ うが緊急手術に比べ,合併症が有意に低かったと報告 している.