産業用X線CT受託サービスの活用

摘要

X線は製品の内部欠陥、損傷、異物の探査に広く利用され、品質確保のツールとして必要不可欠となっている。また、セキュリティー分野での適用も良く知られ、写真1のような空港やイベント会場などの手荷物検査に利用されているX線検査装置から、写真2のような大型トレーラ、トラックが検査可能なコンテナ貨物用の大型X線検査装置など、セキュリティー用途での適用も幅広い。一方で、医療用として実用化されたCT装置は、産業用へ適用が拡大され進化している。CTとはComputed Tomographyの略称で、X線などの光源を利用して得られた対象物の内部断層撮像を3次元画像に再構築したものである。コンピュータによる解析技術の高度化を背景に、物体の内部構造を知る手段として急速に利用が進んでおり、利用拡大のニーズを受け、毎年のように高性能で高機能な装置が販売されている。3次元的に製品イメージを認識しやすく、かつ内部全体の情報を精細に得ることができれば、メーカーにおける製品開発の段階や製品検査での欠陥の探査に向けて、X線CTは強力なツールとなり得る。