オーバービュー

摘要

血液疾患診療全般と同様に同種造血幹細胞移植の領域においても新規移植法,合併症に対する新規治療法やその管理法の開発が進められ,大きく変化してきた。特にHLA半合致ドナーからの移植の導入は造血幹細胞移植に大きな変革となっている。基本となる適切なドナー選択,前処置の選択，移植後合併症の管理という流れは大きく変わっていないが,これらの領域においても詳細な研究や解析により,確実に進化している。本特集では,HLA一致同胞がいない場合の代替ドナー選択,移植後合併症の中で最も重要な移植片対宿主病（GVHD）の予防と治療,そして，退院?社会復帰を含めた長期生存者への対応をテーマとして,多くのご経験?実績をお持ちの先生方にご執筆いただいた。