第3回汎太平洋学術会議の定量分析

摘要

本発表では，1926(大正15)年10-11月に開催された，第3回汎太平洋学術会議(The Third Pan-Pacific Science Congress，以下PSC)における，参加および発表の状況について分析を行う.PSCに関しては通史や先行文献において少なからぬ言及があり，開催された事実は広く知られている，拙稿では，同会議の議長であった櫻井錠ニの御進講原稿から，PSC開催の様相や，学術の国際交流に関する考え方を検討した.また，別稿では，同会議の開催経緯=舞台裏について，櫻井の関与を検討した.しかし，PSCの規模と骨格，文脈を考えたとき，分析の余地は十分にある.すなわち，あえて表舞台一どこのだれが参加し，だれが何を発表したかという具体的な内容一にフォーカスすることで，その実像に迫ることができる.本発表では，まず，PSCへの参加状況および発表状況について，定量的に分析を行い，その特徴を示す.検討対象とするのは，Proceedings全2巻である.