ディジタルホログラフィ瞬時マルチモーダルイメージングとその応用

摘要

ディジタルホログラフィは物体からの光波の情報を干渉強度分布としてイメージセンサに記録し、得られた干渉強度分布を用いて再生を計算機上で光伝搬計算により実行する手法である。記録時の物体とィメージセンサ間の距離に等しい伝搬距離を設定することで元の物体光の振幅と位相分布が再生される。そのため、定量位相計測として物体形状測定や細胞厚さ計測などに用いられている。最近では、蛍光などのインコヒーレント光を用いて、シングルショットで3次元蛍光イメージングを実現するインコヒーレントディジタルホログラフィも提案されている。さらに、位相、蛍光、偏光など様々な物理量を一体化した光学系で同時取得するマルチモーダルイメージングの研究も活発化している。シングルショットマルチモーダルイメージングにより、時間経過を含めた対象物体の多角的情報が得られるため、現象の理解に役立つ。本稿では、ディジタルホログラフィを用いたマルチモーダルイメージングの手法について、主にバイオ応用に向けた結果を紹介する。