高まる車体マルチマテリアル化の重要性と今後の展望

摘要

車体軽量化の取り組みは，1970年代のオイルショック，CAFE規制法案を契機として積極的に進められるようになった。その後，1990年代になると衝突安全性の向上，更なる燃費改善，CO2排出量の削減が求められ，軽量化の必要性が益々高まってきた。更に最近はCO2削減が全世界的な社会課題となっている状況である。このような中，国内では2013年にISMA；新構造材料技術研究組合が発足し，軽量材料を適材適所に使うマルチマテリアル技術の研究開発が進められている。一方，最新車体の重量や使用材料の動向を整理すると，車体の軽量化やマルチマテリアル化は停滞しているように見受けられる。そこで，今回はマルチマテリアル化の進展状況を整理すると共に，改めてその必要性について考えてみた。