サプライヤーと共に歩むBCP強化策: BCPコミュニケーションのあり方

摘要

中越地震や東日本大震災などの巨大災害をきっかけにBCP（事業継続計画）が各企業で策定され、その後「BCPの見直し論」が叫ばれるようになって一定の期間が経過している。しかし、簡単に形骸化してしまうBCPにそもそも「どのような課題が内在していたか」について本質的な議論と問題の総括をすることなく、言葉だけBCPの高度化を叫んでもまた「ただ作文をしただけ」という以前と同じ結果になりかねない。本稿のテーマは、メーカーやティア1企業（1次サプライヤー）の調達部門の方々に資することを念頭に、サプライヤーとのBCPコミュニケーションのあり方を模索するものだが、同時に自社BCPの再点検の議論にも関連づけながら筆を進めたい。