加工食品の輸出における障壁への取組み

摘要

1. 背景、経緯アジアを中心とした海外の消費者の所得水準が向上し、日本の農林水産物?食品の潜在 的購買層が増え、訪日外国人の増加等を通じて日本の農林水産物?食品の魅力が海外に広 まる環境変化が起こっている。その中で食品事業者を中心に、輸出事業に取り組み成果が 出始めている。また2019年4月に農林水産物?食品の輸出拡大のための輸入国規制への対応等に関する 関係閣僚会議が開始され、輸出促進法の体制が整備されるなど、輸出促進の取り組みが強 化されてきている。農林水産物?食品の輸出拡大実行戦略達成に向けた取り組みである農林水産物?食品の 輸出拡大実行戦略により、国を挙げて、農林水産物?食品の輸出拡大を推進しており、法 改正や税制、予算を含めた支援体制が進められてきている。輸出拡大実行戦略では、日本の强みを最大限に発揮するための取り組みとして、輸出重 点品目と輸出目標額として2025年までに2兆円、2030年までに5兆円という目標が設定 されており、海外市場で求められる商品を継続的に生産して輸出し、バリューチェーン全 体をプロダクトアウトからマーケットインに転換することが求められている。規制にかかる政府間協議がすぐには進まない中で、食品安全や知的財産等様々な分野で 環境整備をすることが必要となってきている。例えば輸出先国?地域でニーズがあるにもかかわらず、日本からの輸出が規制されてい る。輸出先国?地域の規制における規制措置は強化される方向にきており、国内事業者は その都度対応を求められているため、輸出の障害を取り除くための取り組みを行う必要が 出てきている。