在宅医療への臨床検査技師の関与?栃木県の調査から?【抄録】

摘要

少子超高齢社会が加速する中、2025年に向けて地域医療構想を始めとした地域完結型の医療提供体制が求められ、在宅医療も含めた地域包括ケアシステムの構築が急務とされている。在宅医療推進のためには多職種連携が重要であり、臨床検査技師も含む専門職の役割も明記された。臨床検査技師については、2015年「臨床検査技師等に関する法律」改正により採血以外の検体採取が加わった。2021年には厚生労働省の「医師の働き方改革を進めるためのタスク?シフト/シェアの推進に関する検討会」で各医療職種の業務の整理がなされ、臨床検査技師においては法改正が行われ検体採取関連で2項目、生理機能検査で4項目、静脈路確保関連で4項目が新たに臨床検査技師としての業務範囲が拡大することとなった。入院から在宅での医療に移行する際の受療行動については「医療従事者の適宜の訪問や各種の指導?サービス（検査の実施も含まれる）があれば自宅で療養は可能」とする声が少なくない。全国では在宅医療での臨床検査実地調査が行われ、都市型在宅医療施設や地域密着型在宅医療での臨床検査技師の在宅訪問が報告されている。今回、栃木県臨床検査技師会が平成30年度栃木県保健福祉部医療政策課調査研究支援事業チーム名「どこでも検査室」として参加し栃木県における在宅医療での臨床検査の実施状況及び臨床検査技師の関与の状況を明らかにすることを目的として調査を実施したので報告する。