動的気象環境を実現する全天候型試験ラボ

摘要

無人自動運転サービスの実現に向けて研究開発や実証実験が行われている。無人自動運転サービスでは無線通信による交通情報と併せ，車両のカメラやセンサ類で検出した周辺情報を取り入れて認知·判断し制御を行う必要があり，無線アンテナやカメラ，センサ類への降雨や霧，着雪といった気象環境への影響を評価する必要があった。従来の試験方法は，人工的な降雪や降雨装置で単一な条件で評価を行っており複合化した気象環境や，動的気象環境(着雪や降雪，雨，霧などが時間の経過とともに刻々と変化する気象環境)下での評価が困難であった。そこで本稿では，当社で開発した全天候型試験ラボを事例として，実際の地球気象環境で起こりうる各種環境因子を複合した気象環境や，動的に変化する気象環境を再現可能な新たなコンセプトの人工気象室を紹介する。