痙攣?不随意運動の診かた-てんかん発作などの危険な痙攣?不随意運動，筋クランフ などの頻度の高い痙攣?不随意運動の鑑別ポイント

摘要

痙攣という言葉が表す症候は多彩である.痙攣?不随意運動の鑑別は，その発症様式と動きの特徴?出現部位を正確に把握するこ とから始まる.痙攣?不随意運動の鑑別には，随伴するその他の症状も大切である.最終的には痙攣?不随意運動の原因を明らかにし，それに対処することが重要である.痙攣とは「筋肉が不随意に持続的（強直性）もしくは間欠的（間代性）に収縮すること」を意味するが,これに含まれる症候は多彩である.すなわち，てんかん発作としての強直間代発作から筋クランプ (いわゆる"こむら返り"），線維束性収縮まで全てと表現される.一方で，不随意運動とは「意図せずに生じる体の動き」の総称で，その運動の特徴によって振戦やミオクローヌス，舞踏運動，バリ ズム，ジストニアなどに分類される.例えば，振戦は主動筋と拮抗筋の収縮が交代性あるいは同期に起こることで生じる体の一部の律動的な振動運動 (いわゆる「震え」）であり，ミオクローヌスは筋肉の 瞬間的な収縮もしくは弛緩によって生じる衝撃的な運動（いわゆる「ピクつき」）を意味する.なお，ミオ クローヌスは反復して出現した場合，痙攣と表現されうる.