砂防の八一ド対策の変遷

摘要

日本では古くから土砂災害対策において.ハ一ド対策にょり地域の人々のいのちとくらしを守ってきました。ハ一ド対策において現在主流となっている渓流での対策は,江戸期(1680年代)以降に始まり,当時は主に土堰堤や石堰堤が築造されていました。近年広く用いられるコンクリ一トが砂防堰堤に本格的に導入されたのは,大正5(1916)年の山梨県の芦安堰堤と言われています。その後,社会情勢の変化や土砂災害の形態に合わせ技術開発が行われ,砂防堰堤はコンクリ一トだけでなく鋼材や砂防ソィルセメントといった様々な材料で構築され,ハィブリット構造も開発されるょうになりました。本稿では,平成に入って以降の約30年に特に着目して砂防事業のハ一ド対策の変遷を現象ごとに概説し,今後の土砂災害対策で求められることを考えました。