7.腫瘍随伴体液性高カルシウム血症を合併した血管内大細胞型B細胞リンパ腫の1例

摘要

【症例】73歳男性。20XX年Y月初旬より発熱?食欲不振?倦怠感が出現し,近医で抗菌薬を処方されたが症状は改善しなかった。血液検査で血小板減少が認められたためY月中旬に前医入院となり,LDH高値?肝機能異常を認めたことから,精査目的に当科紹介,入院となった。【入院後経過】骨髄検査で血球貪食像を認め,血球貪食症候群と診断した。原因検索を開始したが膠原病や各種ウィルス関連検査は陰性であった。以上から悪性リンパ腫（ML）の可能性を考慮したが,CTでは軽度の肝脾腫のみで,リンパ節腫大は認めなかったため,血管内リンパ腫（IVL）を疑いランダム皮膚生検?肝生検を施行した。また同時期より高Ca血症（補正Ca14.4mg/dl）を認め,カルシトニン投与で改善せず,意識障害が進行した。PTHrP 9.7pmol/lと高値であり腫瘍随伴体液性高Ca血症（HHM）が考えられた。皮 膚?肝組織より血管内大細胞型B細胞リンパ腫（IVLBCL）の確定診断に至り,リツキシマブ併用CHOP療法を施行したところ,血清Caは低下し意識障害も改善した。現在は2コース目を施行中である。