イグナチオ?アパートメント

摘要

3人の友人がアテネに典型的な集合住宅の小さな屋上スペースを購入した。広さは22m~2で、27m~2のヴェランダがついている。寝室、簡易キッチン、バスルームを備えた小ざなァパートへの改造が求められていた。ラディカルなデザインはギリシャの島における伝統的住まいを参照しており、ものを減らして空間を広く見せるのではなく、4区画(前にキッチンと居間、奥に寝室と浴室)に分けられた密度の高い空間がつくりだざれた。寝室と浴室の間に小さな廊下を設け、奥の小さなバルコニーへの通り道とした。玄関の位置を空間中央に直接つながるように変更し、側壁や隅をすベて解放、多様な機能への対応が可能となった。カーテンやスライド式間仕切りなどの要素が加えられ、柔軟性を増した空間では、用途や時間帯に応じて仕切ったり開放することができる。例えば、ソファを開くとダブルべッドになり、カーテンで囲えば第2の寝室となる。多様な素材やディテールが使われた密度の高い居間空間は豊かな小宇宙を思わせる。水中をイメージさせる色彩が使われ、空に向かって広がる屋外空間を反映する。2つの窓と開閉可能なガラス引き戸で構成されたヴェランダのファサードによって、内外がなめらかにつながっている。ヴエランダ両側に設けられた柱廊?造付家具?植木によってそこは屋外の部屋となり、柱廊の向こうに伸びるスティールの手摺が小さなアパートが果てしなく続くような錯覚を生みだしている。