POCUSのススメ:女性のエコー，ここをチェック!

摘要

子宮や卵巣の異常は内診や経腟エコーでしかわからないと思いがちですが,実は経腹エコーでもわかる異常がたくさんあります.今回の症例は,新型コロナウィルスによって増えている「微熱」の主訴から始まります.【症例】26歳女性.もともと平熱は36℃台前半だったが，この1力月は体温が36℃台後半?37℃台前半になることがあった（図1）.本人が自覚している症状は特になく,あえて挙げれば倦怠感だという.この春から働き始めた新しい職場で毎日自宅での検温を指示されたことがきっかけで微熱に気づき，改善しないため精査目的に内科外来を受診した.【陰性症状】頭痛,咳,痰,鼻水,嘔気,嘔吐,腹痛,下痢,便秘.【既往?内服歴】0経妊,手術歴なし，内服薬なし.【社会歴】医療職で一人暮らし.周囲に新型コロナウィルスの感染者はいない.【所見】体温36.8℃,血圧98/68mmHg,心拍88回/分?整，SpO_2 98% （室内気）.全身状態は良好で咽頭に発赤なし,四肢の関節に発赤や痛みなし,明らかな皮疹なし.腹部に圧痛点なく,身体診察上は明らかな異常を認めない.