転作田における地下灌漑実施時の地下水位と土壌水分変動

摘要

北海道の大規模水田地帯では、食料生産の体 質強化のため、担い手への農地集積や農地の大 区画化、汎用化が推進されている。また、北海 道の大区画水田圃場では、暗渠排水施設を利用 した地下水位制御システムの導入も進められて いる。本システムでは、降雨時に余剰水を暗渠 から速やかに排水するとともに、干ばつ時に地 下から給水（以下、地下灌漑という）すること で、転作作物栽培時においても最適な圃場水管 理を実現することが可能となる。積雪寒冷地で ある北海道の水田の畑利用では、土壌が乾燥す る期間が短く長期間地下水位を浅く維持するよ うな水管理は適さないことから、土壌乾燥時に 地下灌漑を実施することが提案されている（北海道立総合研究機構、2013)。