37.腎障害を有する高悪性度B細胞リンパ腫症例にDA-EPOCH-Rを施行した1例

摘要

64歳男性。来院2週前より全身浮腫,起坐呼吸が出現し,近医のCTで右胸水と両側水腎症，後腹膜腫瘤,左鼠径リンパ節腫脹を指摘され当科へ紹介された。High grade В-cell lymphoma with MYC and BCL2 rearrangements と診断されたがBUN 121mg/dl, Cr 17.4mg/dlと腎性と腎後性の腎障害を認め,血液透析を施行しながら減量CHOP療法を開始し Cr2mg/dl程度まで改善した。予後不良の疾患であり強 度の高い治療が必要と考えられ，DA-EPOCH-R療法を選択した。Crは2mg/dl前後で推移し,腎障害の悪化なく6コースまで施行し寛解が得られた。腎障害を有する患者へのDA-EPOCH-R療法の安全性について明確な報告はない。腎性と腎後性の腎障害を来した症例に対してDA-EPOCH-R療法を安全に施行できた症例を経験したため報告する。